2011年07月09日
見えない傷の物語

土曜日午後皆さん如何お過ごしでしょうか?
来週はイベントやら私主催の異業種会やら忙しいさの頂点になりそうです。
なので今週末は敢えてゆっくり過ごす事にしております。
窓全開で気持ちの良い風を浴びながら二時間で読了した本。
芥川賞作家の川上未映子さんの話題作「へヴン」です。
虐めを舞台にした、胸が痛くなるような物語です。
芥川作家なんで、物語としての面白さは求めては駄目です。
文章を噛み締めるような読み方が正しい読み方です。
印象に残った言葉を書き残しておきます。
(机も花瓶も、傷はついても傷つかないんだよ。でも人間は、見た目が傷つかなくても、とても傷つくと思う)
(何かに意味があるなら、物語の全部に意味はあるし、ないなら全部に意味はない)
深い言葉ですね。
もしかしたら作者が言うように人生や生きる事なんて、まったくもって意味など無いのかもしれません。
人間は勝手に意味を持たせるようにしたくて、意味があるように思い込んでいるだけかもしれません。
そう思わないと生きていけないんでしょうね。
苛めている側には意味が無くても、苛められている側は意味を求めないと何故苛められるのかさっぱり分からない。
そんな少年の苦悩がヒシヒシと伝わる一冊でした。
時にはこういった深い話もいいものです。
Posted by マグ at 12:53│Comments(0)
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